衣装選び奮闘中

暑かったり、雨が降ったりと季節の変わり目が見える様になった時期になってきましたね。

 

どうも!制作に携わる久万田です。

 

今回、『稜線とわたし』の衣装の作業を覗かせて貰いました!

部屋に入り、目に入ったのは色とりどりの

シフォンジョーゼット。

 

「ボタンの位置が、、」

「あぁ、どうしましょうか?」

そんな会話がありつつ、手が動く。

 

色合い、素材、ボリュームなど様々な言葉が行き交い、悩んでいる。

色の見え方を工夫していたり、予算内に収まるのかと話しながらの作業。

 

クレヨンを手に衣装の色を塗っていました。

 

出演者がどんな衣装で舞台に現れるのか

楽しみですね!

 

一方、舞台練習は、、、

丁度休憩に入っていた出演者2人に舞台練習に

ついてインタビューしました。

 

 

「白神さんが演出する作品に演者として関わらせて貰い、知らない考え方等を知れて日々学びになっています。」(2年生)

 

「楽しいけど大変。大変だけどそれが楽しいという魅力だと思ってます」(2年生)

 

 

着々と進んでいる裏方作業と稽古。

本番が楽しみですね!

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『稜線とわたし』看板仕上げ中です。

ブログをご覧の皆さん初めまして。今回SARPvol.21の制作に携わらせて頂きます。1年の岩﨑未紗です。

9月に入りましたが、まだまだ暑さが感じられます。さつまいもの美味しい季節が来ましたね。私は、さつまいもが好きなので嬉しいです。

 

さっそくですが、制作チームは現在、宣伝用の立て看板を製作中です。校内に3つ設置する予定で、今は2枚目まで完成し、3枚目の仕上げ作業に入っています。

立て看板は、1から制作チームでデザインを考えて作っています。すべて手作りのため、少しずつデザインが違うところも、魅力の一つです。

設置して皆さんに見てもらえるのを楽しみに日々頑張っています。正門、立体駐車場前、学内3号館前に看板を立てますので、ぜひご覧ください。

 

また、稽古ではクリエーションが進んでいます。
先日は、キャストそれぞれで短い振付を考え、一人で試したり大人数で試したりしながら、少しずつシーンが出来上がってきました。

 

本公演は絶賛予約受付中です。
皆さまのご予約をお待ちしております。
公演詳細はこちら↓

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SARPvol.21 『稜線とわたし』始まります!

ブログをご覧のみなさんこんにちは。制作の中越唯菜です。

お盆前後の猛暑も落ち着き、聞こえてくる虫時雨に秋を感じられるようになりました。

この時期になると実家で祖母が飼育していた鈴虫の事を思い出します。鳴き声を聞きながらぼーっとしていたあの頃が少し懐かしいです。

𝟫月になり演劇コースでは𝖲𝖠𝖱𝖯𝗏𝗈𝗅.𝟤𝟣『稜線とわたし』の稽古開始にあたって顔合わせを行いました。

 

今回、SARPの振付・演出を行ってくださるのはモモンガ・コンプレックス主宰の白神ももこさんです。

無意味・無駄を積極的に取り入れユニークな空間を醸し出す作風には定評があり、2016年のSARPvol.11『大丈夫。』から6年ぶりにSARPを担当していただきます。

今回の𝖲𝖠𝖱𝖯は久しぶりの"ダンス公演"ということで座組一同とても気合いが入っています。わたしもいまからどんな作品になるのかとても楽しみにしています。

 

こちらのブログでも稽古の様子や作品創作過程を紹介していきますので更新をお楽しみに🍁

本公演は絶賛、予約受付中です。
皆さまのご予約をお待ちしております。

作品概要はこちらから↓

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授業紹介「リサーチ・プロジェクトⅠ・Ⅱ(講師:いいむろなおき)」

【演劇コース授業紹介⑥】


「身体表現と舞台芸術メジャー」「舞台技術・公演マイナー」「アーツ・マネジメントマイナー」「演劇ワークショップ実践マイナー」で行われている舞台芸術に関する様々な授業を写真とともにご紹介いたします。

 

「リサーチ・プロジェクトⅠ・Ⅱ」
講師:いいむろなおき

 

[講師プロフィール] 

いいむろなおきマイム俳優・演出家・振付家、いいむろなおきマイムカンパニー主宰
兵庫県立宝塚北高等学校演劇科卒業。1991年渡仏。パリ市マルセル・マルソー国際マイム学院入学。同学院卒業後、ニデルメイエ国立音楽院コンテンポラリーダンス科最上級クラス入学。翌年、審査員全員一致による金賞で首席卒業。フランスと日本でマイム、パントマイム、ダンスなどの公演活動やワークショップを行う。
1998年 拠点をフランスから日本に移し、「いいむろなおきマイムカンパニー」の名称でソロ公演・ワークショップやマイム指導・演出・振付・海外フェスティバルへの参加等、個人での活動を開始。
2003年 自身が代表を務める「いいむろなおきマイムカンパニー」で集団マイム作品の創作を開始。日本では数少ない【集団マイム劇の創作上演を続けるカンパニー】として、関西を拠点に国内外で上演を続けている。

 

今回は、サマーセッション(夏休み期間中の授業)開講の、いいむろなおき先生による「リサーチ・プロジェクトⅠ・Ⅱ*」の授業の一部をご紹介します。
*リサーチ・プロジェクトⅠ・Ⅱ:ボーダレスな表現手法を要求される現代の役者・ダンサーに向けた約2週間集中講義。国内外の講師から表現方法の多様性を学び考察し、最終日にはショーイングを行います。
【2022年度:いいむろなおき先生講義概要】
演劇における身体表現の一つであるマイム(黙劇・無言劇)を学ぶことを通して、身体が持つ表現の可能性を理解し、言語に頼らない表現方法を身につけ、そのメソッドを習得し、自身の表現力やコミュニケーション能力を高めることを目的とする。
フランスの現代マイムの基礎となったエティエンヌ・ドゥクルーのシステム「mime corporel dramatique(ミーム・コーポレル・ドラマティック)」や世界的なマイムの第一人者であるマルセル・マルソーのメソッドを中心に、身体表現としてのマイムを学び、その仕組みを理解する。

 

いいむろなおき先生は、「いいむろなおきマイムカンパニー」を主宰するマイム俳優で、日本だけでなくフランスなど世界を舞台に活動。近年では東京パラリンピック2020の開会式に出演するなど、各方面で活躍されています。

この授業では、座学と実践を通して、身体表現としてのマイム(黙劇・無言劇)を体系的に学んでいきます。また、最終日には学びの集大成としてショーイングを行います。

マイムは演劇的なドラマとダンス的な身体表現を行き来することのできる表現方法であると同時に、自らの記憶や感覚にアクセスするためのツールともなります。
自分が普段使っている身体の部位とその動きを意識しながら、指定されたテーマに沿った動きをつくっていくワークを繰り返し、自身の身体と向き合いました。

マイムの中にも多くの種類やジャンルがあり、一般的知名度の高い「パントマイム」や、俳優のためのメソッドであるフランスのエチエンヌ・ドゥクルーによる「ミームコーポレルドラマティック」など、その理論とテクニックを実践を通して学びます。

いいむろなおき先生が自身のカンパニーで創作を続ける「集団マイム」にも挑戦し、マイムによる表現の幅広さと奥深さを体験しました。

最終日には、グループや個人で創作した作品群のショーイングを行いました。


実際にないモノをそこにあるように見せたり、風船やカバンが不思議なものに見えるパントマイム的なパフォーマンスから集団マイム、ソロ作品など、今回の集中授業の締めくくりにふさわしいショーイングとなりました。

 

【学生の声】

椙田航平さん 4年生 身体表現と舞台芸術メジャー

パントマイムと聞いて僕が真っ先に思い浮かべたのは「喋れない」というマイナスなイメージでした。しかし授業を受ける中で、そのシンプルさこそがパントマイムの大きな魅力であり、それは並々ならぬ身体表現の研鑽と観客の想像力への信頼、そして観客への思いやりのうえに成り立つ「引き算の芸術」なのだと気付かされました。
今回の授業で得ることが出来た一番大きな要素は、その「引き算の美学」だと思います。日頃舞台に立つとき「どれだけ多くの情報を抱えて登場してそれを観客に伝えていくか」ということばかり考えてしまって、ついつい簡単なジェスチャーを使ったりして観客に情報を伝えたつもりになっていました。しかし今回の授業を受けて、どうすれば観客が引き込まれるような作品ができるかを考える手がかりを見つけたような気がします。いいむろさんを交えてショーイングに向けての作品づくりをしていく際も、あえて表現をシンプルにまとめ、観客に想像の余地を与えられるような作品にできるよう様々なアドバイスを頂きました。
表現者として観客の前に立つ人間として、非常に大切な考え方を学ぶことのできた一週間でした。

 

目黒眞子さん 4年生 身体表現と舞台芸術メジャー

たった一週間の出来事でしたが、この夏でいちばん密度の濃い時間でした。一人一人に向き合い、ひたすら優しく分かりやすく教えていただき、すごく貴重な時間だと思いながら一週間を過ごしました。
パントマイムを行う時の情報収集のツールとして自分の記憶を思い出し、それを再現する作業の中では、パントマイムをしようとすると普段の自然な動きができなかったり、少し誇張して分かりやすくしなければいけなかったりと、固定概念に逆らう作業を幾度も繰り返しました。自分の中にないものやあるものを見せるためにどうしたら伝わるのかいつもどうやって伝えていたのか考えて、自分が見ている自分と周りに見られている自分との差を埋める繊細な作業をしていく、自分と向き合う作業は過程が多く感じました。難しいと感じることは多かったですが、いいむろさんのアドバイスや仲間との情報共有で見えないものがどんどん見えていき、心も体も楽しい、とても有意義な時間になりました。

今年の卒業公演は12月です!

ブログをご覧の皆さんこんにちは。

4回生の中越唯菜です。
毎日の猛暑に身体が悲鳴をあげています。夏バテ対策が対策になりそうにないです。
 
夏休みに入り、4回生は卒業公演に向けて稽古を開始しました。
まずはテーマを決めて自分のエピソードを話し、みんなと共有するという作業を1週間ほど行うことから始めました。

 

そして、目先の目標として頑張っていたワークインプログレスを昨日行いました!

ワークインプログレスとは、作品の制作過程を観ていただき、その後様々な意見を頂く企画です。

自分たちのやりたい、見せたいをかなり詰め込んだ60分になりました。

本番までまだ期間があるのでここからどう作品が変わっていくのかわたし自身も楽しみです^-^
 
今年度の卒業公演は
 
“12月”に行います!!!!
 
例年と時期が違うのでお間違いなく( ˊ ᵕ ˋ )
 
10期生が運営しているSNSもございます。
こちらもぜひフォローをお待ちしております🌼
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授業紹介「社会福祉と演劇ワークショップⅠ」

【演劇コース授業紹介⑤】


「身体表現と舞台芸術メジャー」「舞台技術・公演マイナー」「アーツ・マネジメントマイナー」「演劇ワークショップ実践マイナー」で行われている舞台芸術に関する様々な授業を写真とともにご紹介いたします。

 

社会福祉と演劇ワークショップⅠ」
担当教員:仙石桂子(社会学部准教授)・西谷清美(社会福祉学部教授)

 

今回は、演劇ワークショップ実践マイナーの授業の一つ「社会福祉と演劇ワークショップⅠ*」の授業をご紹介します。
*社会福祉と演劇ワークショップⅠ:演劇を活用したワークショップを体験し、深く考察し、その効果・方法について体系的、実践的に学びます。

 

今年度の「社会福祉と演劇ワークショップⅠ」では、社会福祉学部教授の西谷清美が理事を務める就労継続支援B型事業所たんぽぽの利用者とスタッフの方々と一緒に、社会福祉的観点から演劇作品の創作に挑みました。

学生たちは作品づくりに入る前に、「当事者研究」を体験しました。当事者研究とは、精神障がいを持ちながら暮らす中で見出した生きづらさ等を持ち寄り、仲間や関係者と一緒にその人に合った“自分の助け方”や理解を見出していこうとする研究です。

まず、当事者研究の概要を学び、2人1組でお互いの苦労の“情報公開”を行い、その後、それぞれの苦労に名前をつけ、その苦労ネームの発表を行いました。その中からひとつ研究してみたい“苦労”を選び、ホワイトボードにその“苦労”について書き出していきました。

ホワイトボードに”苦労”について書き出した様子

学生からは様々な質問や意見が出て、それにより“苦労”の中身をより分かりやすく表現していきました。当事者研究は、その場に居合わせた皆の力、「場」の力を活用し「自分の助け方」を発見するというものです。

この手法を活かして演劇作品の創作に取り組みました。普段、人には言いにくい自身の苦労や生きづらさなども、演劇だからこそ安全で安心して表現できます。

 

稽古は、事業所とノトススタジオで行われました。

事業所での台本読み合わせ


先の見通しが立たないことに不安感を覚える事業所の利用者さんもいらっしゃるので、どうなっていくか分からない不安をなくすために、普段の創作スケジュールよりも詳細に稽古スケジュールを組みました。

また、体調に不安を抱えている方には、アンダースタディ(役者に何らかの緊急事態が起こって演じられなくなったときに備えて、代役ができるように別の人間がその役を練習しておくこと)をたて、安心して創作活動に参加してもらえる環境づくりを行いました。

ダンスシーンの稽古

今回の公演は、事業所の3人の利用者さんからそれぞれの人生について話をお聞きし、

苦労や生きづらさをテーマに 3つの物語に仕上げました。学生らは、精神障がいのある役を演じるにあたり、当事者である利用者さんと何気ない話や、これまでの人生についてなど様々なことについて対話を重ねることで、自身との共通点を見出しながら演技を深めていきました。

舞台裏では利用者さんに、一緒に出演する学生がサポーターとして付き、舞台に登場する”きっかけ”を伝えたり、退場する際には足元が暗い場面では誘導したりと、利用者さんに安心して演技に集中してもらえる工夫をしました。

 

本番を迎えメディアの取材も入り、さらに緊張に包まれながら、無事2日間2公演を終えることができました。千秋楽の後、「老いと演劇」OiBokkeShi主宰で、本学非常勤講師でもある菅原直樹氏を招き、「演劇のエッセンスを社会福祉の活動にどう活かすか」と題したアフタートークが行われました。

 

当事者演劇は、病院での治療としての専門家によるモノローグではなく、当事者と一緒に作品を創り上げていく対話であり、また、仲間で演じ合うことにより、色んな作用が起きているのではないかなど従来の作品づくりとは違った視点で、本作品や創作活動について振り返りました。

 

KSB瀬戸内海放送で本公演について紹介していただきました。

www.youtube.com

 

 

 

線路脇の土手、百年目の最前線。

来たる7月の16㈯、17㈰、ノトススタジオにてノトスラボvol.14『命を弄ぶふたり』を上演いたします!

さて、今回のブログでは作品の概要や上演にあたってのこだわり等々、まだ観劇する予定の無い方は観に行きたくなる、既に観劇する予定の方は観に行くのがより楽しみになる情報を発信させて頂きます!(……発信する予定です、頑張ります…!)

お相手は本公演の俳優兼ドラマトゥルクの椙田航平(すぎたこうへい)が務めさせて頂きます。もう4年生になりました。進路が全然決まりません、はい。

 

まず、今回の上演の一番大きな特徴について

何といっても4つのチームに分かれての上演であるという点です!

それぞれのチームがどんな作品になっているのかは後程詳しく書かせて頂きますが、

とにかく、どのチームも脚本から演出から全くの別物に仕上がっています!

 

今回取り扱う岸田國士の戯曲『命を弄ぶ男ふたり』は、(厳密には全ての書き物がそうなのでしょうが)どんな風にでも読み取れる作品だと思っています。書かれている言葉の一つひとつに含みが多く、逆に細かい情報があえて書かれていない部分もあり、余白と言うか、解釈の余地が非常に多い作品なんです。(気になった方、ぜひ青空文庫で読んでみてください…!)

 

この戯曲には、自分の命を自分で投げ捨てようとしながらも、その瞬間を懸命に生きる人間模様が描かれています。生への執着や諦め、死への恐怖や期待、人間への深い愛情や憎しみなどなど、「命」そのものが持つ不毛性や美しさといった要素で満ち満ちています。

ですので、今回の上演では、そんなたくさんの要素を時に丁寧に、時に大胆に切り取ったり拡大したりしながら4つの物語に枝分かれさせていきました。

 

ここからは、そんな4つのチームについてそれぞれ詳しく紹介させて頂きます!

 

 

Aチーム(原文ver.)

原作『命を弄ぶ男ふたり』を一切書き換えずに当時の言葉のまま上演いたします。大体45分くらいの決して長くない作品ですが、この百年間で何度も繰り返されてきたこの45分間の最後尾に立てること、考えるだけで興奮してきます…!

この作品、実は書かれたのが1925年で、先述の通りほぼ百年前の作品なんです。(ブログのタイトル、「百年目…」が抜けてます。その方が語呂がいいので抜いちゃいました。ごめんなさい…。)時は大正時代の終わりごろ、普通選挙法が公布された年です。

イタリアではムッソリーニが独裁宣言を出し、ドイツではヒトラーがナチ党を発足させ、少しずつ戦争の足音が近付いてきている時代。命の価値が少しずつ軽くなってきている時代とも言えるかもしれません。

鉄道自殺を目的に線路脇の土手を訪れた男ふたりが偶然出会い、互いに自らの自殺の正当性を主張しながら、その遠因となった恋人の話など、様々な身の上話を重ねていく…

 

眼鏡役を演じるのは2年生の尾崎海斗くん。

6月にノトススタジオで上演した『ダンデライオンズ』では主人公のひとり、柿沼正志

を演じていました。儚げな立ち姿が印象的な、底の知れない俳優であります。

 

包帯役は私、4年生の椙田航平です。

思い浮かびやすいところで申しますと、『義経記REMASTER』で源義経を演じていました。原文ということで、諸々プレッシャーは感じますが、百年前の言葉を舞台で語り、観に来て下さった方々と共有できるということを光栄に思いつつ、この百年間でこの戯曲を上演してきた俳優たちと、お客様皆様に恥じない演技をしたいと思います!

 

 

Bチーム(出会ver.)

一言でいうと、「破滅的なボーイミーツガール」です。

その場に居合わせるのが男ふたりではなく男と女だったら、という設定で、眼鏡役を女性に書き換え、男ふたりでは到達できない男女の繋がりの妙を描き出します。

眼鏡(女)を演じるのは卒業生の田中まみさん。

前年度に卒業された演劇コース9期生で、卒業公演『隣の芝生の気も知らないで』では作品の中心ともいえる〇〇を、『義経記REMASTER』では北条政子を演じられていました。今回の役どころは自殺をしに来たミステリアスな女性ということで、包帯役の土田君を翻弄します。

包帯を演じるのは2年生の土田倭也(ともや)くん。

義経記REMASTER(再演版)』では源頼朝様を、今年度の『平家物語Performance』では源義経を演じていました。誠実で情に厚いが、それゆえに破滅的な立場に陥るBチームの包帯をエネルギッシュに、時にはユーモラスに演じています。

 

Cチーム(恋人ver.)

原作では姿を現さない男ふたりそれぞれの恋人たちにスポットを当てた外伝的作品です。4つのチームの中で一番オリジナリティのある作品と言えるでしょう。原作『命を弄ぶ男ふたり』だけでなく、『葉桜』や『紙風船』など、多くの岸田國士作品からテキストを引用し、この時代から現代まで通底する女性たちの強さを描き出します。

また正直なところ、4つのチームの中で一番稽古が難航している作品でもあります。原作では男ふたりが持つ愚かさがストーリーを進めていく重要なエンジンになっているのですが、女性だとそのニュアンスを出すのが難しく、ストーリーもなかなかに進めづらいのです(決して差別的な意味でこのようなことを言っているわけではないということはご理解ください。また、もしこの文章で不快な思いをされる方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。)。

しかし稽古を進める中で、この時代の女性と現代の女性の社会的立場や感覚のズレなど、いくつか気付かされることがありました。また同時に、当時と今も変わらない「人が人を愛するということ」の難しさや美しさも再発見いたしました。そういったエッセンスを活かし、観て下さった方々に何かを持って帰っていただける作品にできるよう日々稽古に取り組んでおります!

 

眼鏡の恋人を演じるのは2年生の武内愛実さん。

ノトススタジオの公演には裏方として携わることが多く、先月の『ダンデライオンズ』にも出演されていましたが、ここまでセリフの多い役どころは今回が初めてです。

儚さと落ち着きが同居する絶妙な居ずまいと、優しくもどこか物悲しい丁寧なセリフ運びで、悲運に苛まれる良家の娘を演じています。

 

 

 

包帯の恋人を演じるのは4年生の黒木麻絢(まひろ)さん。

今年度の『平家物語Performance』では三人いる語りの内の一人を担っていました。

芯のある力強い声色で、観る側の意識を捉える彼女の演技の説得力には、同期としても少し嫉妬するものがあります。

 

Dチーム(自決ver.)

原作が持つ破滅性や不毛性を存分に拡大し、鳴り響く音楽と役者の肉体、繰り返されるセリフで以て描き出した挑戦的な作品です。

短いフレーズの中にも強烈なエネルギーが宿る岸田國士の戯曲だからこそ可能な大幅なテキストレジで、シンプルで切れ味のある作品になりました。「命を弄ぶ」と言うよりは「命に弄ばれる」男ふたりと言う方が適切な作品かもしれません。いずれにせよ、4つの作品群を締めくくるにふさわしいパフォーマンス性です。

眼鏡を演じるのは3年生の岡田祐介くん。

ダンデライオンズ』では主人公のひとり、町村修を、『平家物語Performance』では二年連続で能登守教経(クライマックスで男二人を抱えて海に飛び込む姿が印象的でした)を演じていました。

優しい声色からは想像もできない大胆な演技で、共演していても驚かされることが多々あります。ここぞという時の爆発力がある俳優です。

 

包帯を演じるのは卒業生の小崎彰一さん。

義経記REMASTER』では戦の有様を語る船頭など、多くの役を演じておられました。(船頭の戦語り、私の大好きなシーンの一つです…!)

演劇コースの7期生で、在学中は主にダンス作品に多く携わっていたこともあり、高い身体性がまず大きな魅力です。そして、臭みの無い素朴なセリフ運びには、観る側の心にまっすぐ突き刺さる力があります。

 

 

さて、気が付けばちょっとしたレポートくらいの長文になってしまいました。まだまだ語りたいことはたくさんありますが、百聞は一見に如かず。このブログを読んで少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひ劇場に足をお運びください。既に観に来て下さる予定のある方は、このブログを読んで少しでも観劇が楽しみになったなら幸いです。また、残念ながら今回は観に来られない方、これを機にノトススタジオでの活動や岸田國士の戯曲に関心を持って頂いた方、いつか劇場でお会いできる日を心より楽しみにしております。

 

ではでは、本番まで残り一週間、まだまだ面白い作品にしていきたいと思いますので、お楽しみに!