「S高原から」

こんにちは。4年野久保弥恵です。

SARPvol.19「S高原から」の稽古が始まりました。

 

サナトリウム(長期的な療養《結核等》を必要とする人のための療養所)にいる患者とその面会者たちのお話です。

死ぬことが決まっている人たちと生きることを謳歌している人たち。

 

わたしが演じるのは面会者の上野雅美という役です。台本を読んでいて、患者と面会者たちで大きな溝を感じました。

人は必ず死ぬという共通点をみんなもっているはずなのに近くに「死」があると自覚できている人と未来を考えられる人では同じものを見ていてもまるで違うものをみているようなそんな違和感というか、違いを感じました。

 

何かの授業でどこかの先生が「人は必ず死ぬのに今死ぬとは思っていない。貯金っていうのは未来を考えられるからできる行為。だって今日死ぬってわかってて貯金します?」って言っていることがあって、この台本を読んでどっかの先生が何かの授業でこんなこと言ってたなあ。と思い出しました。

 

あと、わたしの友達で死ぬことが怖くなる子がいます。その子のことも思い出しました。その子は普段明るくて自分のやりたいこともやりたくないことも自覚していて、遊ぶ友達がたくさんいてよく喋ってよく笑う子です。でもふとした瞬間に死ぬことがすごく怖くなって泣いて落ち着くまでに時間がかかることがあります。「死にたくない。すごく怖い。」とその子が話しているのを聞いてわたしはハッキリと明確に共感できなくて。その子が「死ぬのが怖い」という結論に至る思考が気になって。その子の中の何がこんなにも追い詰めてしまうのだろう。と、わたしにはわからない何かを感じているその子が気になって魅力的に感じます。

その子はこの「S高原から」を観劇したら何を感じるのだろう。何を思うのだろう。それがとても気になります。

 

まだまだ試行錯誤している稽古場です。始まったばかりでどんな風になるのか全然わかりませんが本番を楽しみに来場していただけるよう、日々精進致します。