授業紹介「インテンシブ・ワークショップⅡ(講師:三浦大輔)」

【演劇コース授業紹介⑦】


「身体表現と舞台芸術メジャー」「舞台技術・公演マイナー」「アーツ・マネジメントマイナー」「演劇ワークショップ実践マイナー」で行われている舞台芸術に関する様々な授業を写真とともにご紹介いたします。

 

インテンシブ・ワークショップⅡ」
講師:三浦大輔

 

[講師プロフィール] 

三浦大輔(脚本家、演出家、映画監督、劇団ポツドール主宰)

1975年生まれ、北海道出身。1996年に演劇ユニット「ポツドール」結成。以降、全公演の脚本・演出を務める。2006年に『愛の渦』にて第50回岸田國士戯曲賞を受賞。近年の主な作品にBunkamuraシアターコクーン『禁断の裸体』(15年/上演台本・演出)、パルコ・プロデュース『母に欲す』(14年/作・演出)、『ストリッパー物語』(13年/構成・演出)など。映画監督作に映画「愛の渦」(14年/原作・脚本)、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」(10年/脚本)、「何者」(16年/脚本)など。

 

今回は、10月4日~7日の4日間で行われた三浦大輔先生による「インテンシブ・ワークショップⅡ*」の授業をご紹介します。
*インテンシブ・ワークショップⅡ:多彩な身体表現のプログラムに参加し、自己発見や他者とのコミュニケーション回路開発の方法などを学ぶ。とくに演劇に必要な身体表現は、今第一線で活躍中の演出家による集中的なワークショップを通して学んでいく。

 

この授業では、脚本家・演出家で映画監督の三浦大輔先生を迎え、リアルな演技とはどういうものか、実践とフィードバックを繰り返しながら4日間かけて真剣に考えました。

授業の冒頭に三浦先生から、舞台と映像それぞれの表現の違いについてお話しいただきました。映像のジャンルに触れる機会の少ない学生も多く、映画業界でもご活躍される三浦先生のお話に真剣に耳を傾けていました。

授業で使用する戯曲は、三浦先生が主宰する「ポツドール」で2007年に上演された『人間♥失格』。この戯曲から抜粋したシーンの一部を2人ペアで演じます。練習と発表、三浦先生からのフィードバックを繰り返し、演技をリアルに見せるために俳優が意識する1本の線について考えました。

2日目は、舞台と映像での演技の見え方がどう違うのか、実際にカメラを使って1日目と同じシーンを演じました。三浦先生直々にカットの切り替えをしていただきながら撮影、録画した映像を見ながらフィードバックをしていただきました。

3日目以降は、これまでと同じシーンに繰り返し取り組み、俳優間で流れが生まれるよう練習していきます。三浦先生が監督を務めた作品の一部も見せていただき、解説していただきながら、演技をどう組み立てるか考えていきます。

最終日には、繰り返し練習したシーンをもう一度発表。

学生にとって、映像と舞台の手法の違いを知り、俳優としてスキルアップするためのとても大きな機会となりました。

 

【学生の声】

椙田航平さん 4年生 身体表現と舞台芸術メジャー

この大学にいると、舞台関係の経験は多く積めるのですが、他方映像作品を前提とした活動はどうしても少なく、今回のような舞台と映像両方を網羅したワークショップは本当にありがたかったです。
以前、映像作品に出演した際、なかなか思うように演技できず、カメラの前で演じることに対して若干の苦手意識をずっと持っていました。
しかし今回、初めて映像を前提とした演技の指導を受けることができ、これまで舞台で培ってきた経験をしっかりと映像での演技に活かしていくためのプロセスを知ることが出来たように感じています。将来俳優を続けていくうえで、舞台と映像、どちらにも興味と選択の余地を広げさせてくれるとても有意義なワークショップでした。