最近、街中で「コインランドリー」という看板、文字を見ただけでぞわぞわっとしてしまうようになりました。改めて街を見てみると、めちゃくちゃ多いんですよね。勘弁してほしいです。最近、我らが善通寺市にでっかい工事区画があって、聞けばハローズができるそうで。一時期あれが特大のコインランドリーになるんじゃないかとハラハラしてました。どうも、4年生椙田でございます。
今回の作品、私は演出部ということで、台本を執筆したり、舞台上での役者とテクニカルのバランスを見たりと、作品の方向性をあれこれ模索する仕事をしています。
まだまだ産みの苦しみの真っただ中。毎日が文化祭前日みたいなテンションです。終わらない緊張と興奮、決して得られない達成感と喪失感。たまりませんな。
もちろん役者としても舞台に携わってはいるのですが、客席からみんなが演技しているのを見て、あれこれ口出ししてる方が圧倒的に多いです。みんながわちゃわちゃ楽しめるようなシーンを多めに書いているので、必然的に自分はそういうシーンの出番が少なく、、、ちょっぴり寂しい思いもしてますが、やっぱり自分の書いた台本でみんながのびのび演じているのを見ていると、一番の特等席にいられているような気もして、それはそれで幸せです。とは言うものの、私もしっかり出演してます。やっぱり同期と肩を並べて舞台に立てるのは何だかんだ言って嬉しいもので。
あんまりアピールする機会もないので、自分の立場から見た作品の見どころを紹介させてください。
私からご紹介したいポイントは、みんなが舞台上で口にするセリフ。結構こだわって書いてます。と言うのも、我々4年間も一緒にいてお互いの口調やトーン、喋るテンポや癖なんかまで、無意識に耳にこびり付いてしまっています。私もご多分に漏れず、4年間みんなの声を聞き続けて(ほぼ盗み聞きですが)「この人ならこういう時こんなことを言うだろう」とか「この人はこういう話の時が一番楽しそう」とか、わりとわかるようになってきました。なのでセリフを書くときは、その人が言っていて違和感のないセリフ、言ったら面白そうなセリフ、逆に言わなさそうなセリフなどなど、結構こだわって書いています。
そんなこんなで書き進めていた台本が、先日、ようやっと完本致しました!
いやはや長かった。実に実に長かった。
ここだけの話、いっちばん決まらなかったのはラストの終わらせ方なんです。自分たちの4年間の集大成となるこの作品。その終わらせ方となると、締めくくりの締めくくりと言いますか、なっかなか決まらないもので。明け方までパソコンの画面とにらめっこしたこともありました。
実はこの度書き上がった台本、これで4本目なんです。
さかのぼること5か月前、今年の7月に始動した10期生卒業公演は、まだ夏の盛りでありました8月初旬、1本目の作品を創作、一部教員と関係者に発表いたしました。この時はまだ『コインランドリー マーメイド』というタイトルすら決まっていませんでした。
そして白神ももこさんのSARPを経て、10月初旬から再び創作を開始。8月にできた一本目の作品を更に膨らまし、1か月半もかけてやりたいことを詰め込み過ぎた結果、なんと2時間越えの超大作になってしまいました…。この2本目の台本は、70ページくらいありまして、こりゃあこのままお客様にお見せするわけにはいかないぞとなり、我々は3本目の創作に取り掛かったわけであります。これが大体半月前、11月中旬のことです。
そこから作品の方向性を大幅に変更し、およそ一週間でずいぶん雰囲気の違う1時間の作品が出来ました。ただ、これではちょっと不完全燃焼だぞということになり、またまた作り直し。2本目のやりたいこと詰め込み台本と、3本目の台本を掛け合わせ、話し合いに話し合いを重ねて、11月の末日、ようやっと、この4本目の台本が仕上がったわけであります。現在25901文字。この中に943個のセリフが入っています。多少の増減はあるでしょうが、これからの稽古で中身を詰め、皆様にお届けできるよう育てていきます。
パソコンのキーボードを触るたび、何を入力しても予測変換に作品関係の言葉がずらりと並んでしまいます。みんなの名前の頭文字を入力したらみんなの名前が出てくるし、「こ」と入力したら「コインランドリー」はもちろん、「コインランドリーに」とか「コインランドリーの」とか「コインランドリーで」とか、こんなのが5,6個一気に表示されたときはノイローゼになるかと思いました。
思い返せば今年の春。さあ、卒業公演作るぞってなった時、最初に考えたのは既成の台本にするか、ゼロからの創作にするか、という問題でした。自分たちが本気でやりたいと思える、自分たちだけの作品を創ってやろうじゃないかということになり、満場一致で創作に即決。もちろん、ここまでダラダラと書いていた愚痴みたいな苦労も覚悟の上。同期みんなで日に日に顔色を悪くしながら、それでも笑いの絶えない稽古場です。
劇場で稽古していると、一日の内に日に当たることが滅多に無くなるので、たまに気分転換にみんなで外に出て、ラジオ体操をしたり、鬼ごっこをしたりしています。もし大学の近くを通りかかって、鬼ごっこをしている9人組を見かけても、怪しまないで下さい。
そして、劇場入りに伴い、スタッフをしてくれている後輩とも一緒に稽古を進めているのですが、本当に彼らが頼もしくて、時間の流れを感じてしまいます。同期達に負けず劣らず魅力的な後輩たちの紹介もいずれしていければと思っておりますので、お楽しみに。
さて、そろそろ次回のブログを担当して頂く頼もしい同期をご紹介させて頂きます。
次回のブログ担当は、中越 唯菜(なかごし ゆいな)さん。
彼女は4年間制作スタッフとしての腕を磨き、今やノトススタジオで誰よりも制作に長けた学生と言っても過言ではないでしょう。今回も作品とお客様を繋ぐ存在として、その腕を遺憾なく発揮してくれております。予約管理や客席の調整、広報業務や大学側との連携まで、本当にたくさんの仕事をこなしてくれています。SNS上での卒業公演のお知らせも、4年生のインタビュー動画作成も、このブログでのリレーシステムも、彼女の発案なんです。
ノトススタジオの名だたる公演で制作を務めてきた彼女は、「制作のドン」とも呼ばれています。今回の作品創作中も、お客様に寄り添った意見を言ってくれて、座組に冷静さを取り戻させてくれる場面が何度もありました。
パッと見、キャピキャピした女の子感があって、仲良くなるまでは勝手に苦手意識を持っていたのですが、制作スタッフとして作品を想う健気さや、本人がたまに見せる素朴な一面を知り、魅力的な人だなと思うようになりました。
そんな彼女も今回は役者として舞台にも立っております(制作をしながらの役者業、本当に大変だと思います)。勢いのあるセリフ回しと、見た目と動きのギャップで、他の俳優には無い存在感を確立しており、作品に厚みを持たせてくれています。
ちなみに、うちの同期の女性陣はお酒に強い人が多いのですが、彼女はその中でもトップクラスにお酒に強い、というか、お酒好きです。年明けには同期でそれぞれの地元の地酒を持ち寄って飲み比べをしようと息巻いています。
ではでは、これにて私からのブログはおしまいになります。お付き合いいただきありがとうございました。劇場でお会いしましょう。
すぎた
<中越唯菜出演歴>
2019.8
四国学院大学ノトススタジオ教育プログラム ノトススクール 親子で楽しむ演劇『にせ桃太郎』 村人 役
2021.1
2021.3
四国学院大学+青年団『カガクするココロ』(江原河畔劇場) 秀子役
2022.6
四国学院大学社会学部プロジェクト 演劇公演『ダンデライオンズ』 近藤・相馬 役
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